掃き溜め

離婚の話

2018年11月某日に私は離婚をした。

婚姻期間は2年11ヶ月、翌月に3回目の記念日を控えていたにもかかわらず。

 

原因は元夫の浮気。それもただの浮気ではない。

ちょっと警察のお世話になってしまうような内容であった。

恐らく、普通の浮気であったなら、私は離婚は選択せず再構築の方向へもっていっていたであろう。

 

最初は信じられなかった。

だけど、その数か月前から、元夫に対して

「最近この人がよくわからない。近くにいるのに、まるで遠くにいるみたいだ」

と思うことが増えた。思えばそれが予兆だったのかもしれない。

だからなのか、離婚という事実に対して何も思わなかった。

悲しくはなかった。仕方ないと思った。

むしろ、早く離婚したいとさえ思っていた。

 

事が動き始めてからわずか1週間で、離婚届を提出した。

はじめ、元夫は離婚はもう少し待ってくれと私に言った。

しかし私はそれを突っぱねた。

仕事で名乗っていたのが元夫の姓だった為、早く旧姓に戻したくて仕方がなかった。

もう愛も情も尽きていたんだと思う。

話に応じないのであれば、こちらは弁護士を立てて調停離婚へ進めると話したところ、

彼はしぶしぶ離婚届に判を押した。私が本気だということが伝わったのだろう。

 

区役所に着いたとき、数年前に2人で婚姻届を出したことを思い出した。

悲しくなった。でも涙は出なかった。

全ての処理がまだ終わっていなかったから、泣いている場合じゃないと思った。

離婚届を区役所に提出した後の爽快感とほんの少しの寂しさは、忘れたくても忘れられない。

 

元夫の両親の心のケアもなぜか私がした。

正直何回も会いたくはなかったが、仕方がないので会って話を聞いた。

元夫にも何度か会いに行った。

 

12月に入ってから、慰謝料の話をしに、やはり何度か元夫の実家へ行った。

 元夫の母親に、何度も「元夫は貴女に未練タラタラだよ」と言われたが、何も思うことはなかった。

だったらなぜと何度も思ったし、元夫のことが気持ち悪いと感じるようになった。

最後の話し合いの時も、彼は私と話したそうにしていた。

でもそれでは意味がない。お互いに良いことがないし、友達に戻るつもりもない。

さっと背を向けて足早に帰宅したのを覚えている。

 

元夫からいまだに連絡が来る。

お金の連絡以外は全て既読無視をしている状態ではあるが。

もう私たち夫婦は終わった。過去のものとなった。だから連絡は取らない。

23歳で結婚して、たくさん経験させてもらった。

そのことについては感謝している。

去る者は追わず来る者は拒まない私には、以前の恋人も元夫も同列でしかない。

過去の人間は過去の人間。むしろ出来ればあまり関わりたくない。

 

なんとか年内に駆け足で色々なことを終わらせたので、やっと泣けると思った頃には涙は枯れ果てていて、悲しくもなくなった。